北京牛街の白猿通背拳は、古伝の通背拳をほぼそのままの姿で伝えており、シンプルで学びやすい。
白猿通背拳は他の中国武術の門派に比べると、套路の数は少なめである。
套路練習だけでなく、打袋や対練に時間をかける。
また、白猿通背拳の特徴として、摔跤の技術を取り込んでいることが挙げられる。
通背拳入門講座「はじめての白猿通背拳」ということで、通背拳の基礎を解説していく企画です。
全部で12話で、当会YouTubeチャンネルで公開中です。
この入門講座は、動画を見ながら一緒に体験する、というコンセプトで作っていますので、是非ご一緒に挑戦してみてください。
「通背拳入門講座 裏話コーナー」
裏話、というか、経験者や初級者向けにちょっと補足説明をしてみます。
今回の入門講座で、第一話で最初からいきなり腕を回さず、肩だけ回したりしたのには理由があります。
ひとつは初心者向けの入門講座であることから、普段から肩を動かしていない人が急に大きく無理に動かすと筋を痛めやすい、というのがあります。
もうひとつ、動画の中では解説していませんが、大事な理由があります。それは、意識すべき場所、です。
普通、腕を回す、と言われると、意識するのは腕です。腕を速く回そう、とか、腕を大きく回そう、とか、力まず脱力して回そう、とか。それらももちろん大切ですが、それよりも大切なのが、肩の動きです。
そしてそれを体幹部へ、さらには背骨の動きへと深化させ、意識するようにしていきます。
なので、あえて一番最初に肩を意識してもらえるような構成にしました。最初にそれを意識するかしないかでは、上達に大きな差が出ます。
この身法を理解しないまま腕にばかり意識が向かうから、通背拳は中距離、遠距離戦が得意だ、とか、攻撃が軽い、などと言い出すんです。
まずは意識することが大切。
例えば、今朝起きてから、この投稿を見るまでの間に、赤いものをいくつ見ましたか??
パッと出てこないと思います。
ところが、事前に「赤いものを見つける」と、意識しておくと、何をするにも赤いものばかりが目に付くようになります。
意識する、とは、こういうことです。
ご参考になさってください。
白猿通背拳の基礎を学ぶ。上肢、腿、歩法、それぞれ8種類ずつある。
・活背八法
・活腿八法
・活歩八法
・四面抖膀子 (しめんとうぼうし)
・劈山
・挑山
・推山
・靠山
・四山連手
など
・十字攔 (じゅうじらん)
・五花炮 (ごかほう)
・通背母子拳 (つうはいぼしけん)
・十二連手
・十二連炮
・八手総拳(八手連拳)
・二十四式連環掌法
・二十四式連環肘法
・二十四式連環拳法
・二十四式連環腿法
・欺離棒 (きりぼう)
・天罡剣 (てんこうけん)
・断門槍 (だんもんそう)